墓じまい・改葬・永代供養
改葬許可申請書の書き方と記入例|添付書類と提出先
改葬許可申請書は遺骨がいまある市区町村へ提出します。死亡者情報・埋葬場所・改葬先・申請者の4ブロックの書き方、改葬理由の記入例、埋葬証明書と受入証明書の集め方、提出から許可証受領までの順番を項目別に整理しました。
目次
提出先は、いま遺骨が納められている市区町村
改葬許可申請書を出す相手は、遺骨が現在納められている墓地のある市区町村長です。墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)第5条がそう定めています。新しい墓を建てる側の自治体や、申請者が住民票を置く自治体では受け付けられません。秋田の実家の墓を神奈川の霊園へ移すなら、申請書を受け取るのは秋田側の役所です。
窓口の名前は自治体によって割れます。市民課、戸籍住民課、生活衛生課、環境衛生課のいずれか。公営墓地を持つ自治体では、墓地の管理部署が兼ねる例もあります。手数料は無料のところもあれば、1件数百円を徴収するところもあります。許可証は遺骨1体につき1通。祖父母2人分を同時に移すなら、申請書も2通そろえます。
※2026年7月時点の目安です。最新の料金・制度は各社公式・自治体でご確認ください。
申請書に並ぶ共通4ブロックと記入のコツ
様式は自治体が独自に作りますが、記載事項の土台は墓埋法施行規則第2条です。見た目が違っても、書く中身は4つのかたまりに整理できます。
1つ目は死亡者の情報。本籍、住所、氏名、性別、死亡年月日を書きます。ここが最初の関門になります。昭和の初めやそれ以前に埋葬された先祖だと、本籍も没年月日も家族の記憶に残っていません。本籍地の市区町村で除籍謄本や改製原戸籍を取り寄せ、そこから転記します。郵送での取り寄せに1〜2週間かかることもあるので、ここから着手します。どうしても判明しない項目は「不詳」と記入し、窓口で補い方を確認します。
2つ目は埋葬または火葬の場所と年月日。霊園や寺院の正式名称と所在地を、墓地使用許可証や管理料の領収書の表記に合わせて書きます。墓石に刻まれた「〇〇家之墓」の表記は使いません。埋葬年月日が分からなければ、墓地管理者に台帳を確認してもらいます。
3つ目は改葬先。移す先の墓地や納骨堂の名称と所在地です。契約が決まる前には書けない欄なので、受入先の決定が申請より先に来ます。
4つ目は申請者。氏名、住所、死亡者との続柄を書き、押印欄がある様式では印を押します。申請者が墓地の名義人と違う場合は、その理由と名義人の承諾書が加わります。長男名義の墓を次男が手続きする場面で、ここが抜けて差し戻しになります。
「改葬の理由」欄にどう書くか
自由記述の欄ですが、求められているのは事情の説明ではなく事実の要約です。20〜30字で足ります。実際の申請でよく使われるのは、次のような書き方です。
- 自宅近くの墓地へ移すため
- 墓地の承継者が遠方のため
- 墓地を返還するため
- 永代供養墓へ改葬するため
- 墓じまいに伴う合祀のため
チェックボックス式の様式もあります。承継者不在、転居、墓地の統合、寺院との関係解消などから選ぶ形です。当てはまる選択肢がなければ「その他」に短く書き添えます。
避けたいのは、現在の墓地管理者への不満をそのまま書くこと。申請書には管理者の証明欄が刷り込まれていることが多く、書いた文面を相手が読みます。理由欄は淡々と。交渉は別の場で行います。
離檀の話し合いがこじれています。住職に埋葬証明の記入を断られたら、改葬はできなくなりますか。
証明が得られない事情を窓口に説明すると、墓地の写真、管理料の領収書、使用許可証の写しといった別の資料で埋葬の事実を確認する取り扱いを案内する自治体があります。当事者だけで押し問答を続ける前に、まず市区町村へ相談してください。

埋葬証明・受入証明・承諾書の3点
添付書類は基本的に次の3つです。申請書の裏面や下部に証明欄が組み込まれている自治体もあり、その場合は別紙が省けます。
| 書類 | 書いてもらう相手 | 詰まりやすい点 |
|---|---|---|
| 埋葬証明書 | 現在の墓地の管理者 | 寺院墓地は住職、公営墓地は管理事務所。郵送依頼だと2週間前後 |
| 受入証明書または墓地使用許可証の写し | 改葬先の墓地・納骨堂 | 契約直後は発行までに日数がかかる |
| 承諾書 | 墓地使用者(名義人) | 申請者が名義人以外のときに必要。実印と印鑑証明を求める自治体がある |
散骨や手元供養を選ぶ場合、受入先の証明を出してくれる相手がいません。この扱いは自治体で分かれるため、申請前に窓口へ相談し、どの書類で代えるかを聞きます。
改葬許可証が交付される前に遺骨を取り出すと、墓埋法に反します。石材店の工事日を先に押さえてしまい、許可証が間に合わないという順番の入れ違いが起こりがちです。閉眼供養と遺骨の取り出しは、許可証が手元に届いた日以降に組みます。
様式が自治体ごとに違うことへの備え
多くの市区町村が申請書のPDFをサイトで配布しています。記入例を並べて掲載している自治体もあります。遠方の役所なら、郵送申請を受け付けるか、返信用封筒と切手はいくら分かを、最初の電話でまとめて確認します。
書式の違いで手戻りが出るのは3点です。証明欄が申請書に内蔵されているか別紙か。申請者の押印を求めるか。承諾書に実印と印鑑証明を求めるか。この3つを先に聞いておくと、郵送の往復が1回減ります。
代理申請を行政書士や石材店が受けることもあります。委任状の様式を指定する自治体があるため、依頼する前に確認しておきます。
許可証が出たあとの流れ
窓口で書類がそろえば、即日交付する自治体が多くあります。郵送だと1〜2週間みておきます。交付された改葬許可証は、遺骨を取り出すときに現在の墓地管理者へ提示し、納骨のときに改葬先の管理者へ提出します。手元には残らないので、コピーを1部取っておくと後日の問い合わせで役立ちます。
有効期限を定めない自治体がある一方、交付から一定期間内の使用を求める運用もあります。工事日程が未定のまま先に取得すると、取り直しになることがあります。石材店の見積もりと日程が固まってから申請する順番が安全です。
墓じまいの費用や離檀料をめぐる相談は、国民生活センターと各地の消費生活センターが受け付けています。契約前に見積書の内訳を書面で受け取り、追加費用が発生する条件を確認しておきます。
まとめ
改葬許可申請書の提出先は、遺骨がいま納められている市区町村です。書く内容は死亡者、埋葬場所、改葬先、申請者の4ブロック。古い埋葬ほど死亡者情報の確認に時間がかかるため、除籍謄本の取り寄せから動き出します。改葬の理由は20〜30字の事実の要約で足ります。添付は埋葬証明書、受入証明書、名義人以外が申請するときの承諾書。
進める順番は、受入先の決定、埋葬証明の依頼、申請、許可証の受領、遺骨の取り出しです。この並びを崩さないことが、手続きを止めない条件になります。
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